艦上生活

上の写真の少年水兵は、10代半ばである。もちろん、フェートン号事件の頃は写真はないから、これは事件後50年も経った米国南北戦争(1861-1865)に撮られたものである。この少年水兵(George Hollat, 16歳)だけではなく、8歳の鼓笛隊士など多数の少年が南北戦争に参戦している。(参考記事  boys of war←クリックして移動)   Georgeはパウダーモンキーと呼ばれる火薬運搬係で、もっぱらこのような少年の役割であった。フェートン号にも、何人もの幼いパウダーモンキーが乗り組んでいたはず(マドラスが母港であることを考えるとインド人の少年たちか? 当時の慣例としてフリートウッド・ペリュー艦長が個人の召使としてインド人の少年を乗艦させ、洗濯や制服の糊付けなどやらせていたのは間違いないと思われる)。だが、日誌には乗組員の名前や年齢は、残念ながら一切出てこない。個人名が出てくるのは、病気や事故で死亡した時と、鞭打刑を執行されるときのみである。ちなみに、ペリュー艦長も英軍艦に乗り組んだのは10歳の時であった。ただ、彼の場合は前途洋々たる士官候補生(年上の水兵たちを顎で使う)であったのだから、少年兵とは環境がまるで違う。

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