父 エドワード・ペリュー提督

ナポレオンのヨーロッパ支配をめぐって、イギリスの挑戦が続く中で突発的に起こったフェートン号事件。その背景には多くの魅力的な人物たちと、その色合い濃いキャラクターのせめぎあいが特徴的である。なかでも、日本にはあまり知られていないエドワード・ペリュー提督については、これまで日本側の注目は全くなかった。そこに焦点を当てたのが、”実録フェートン号事件「フェートン号の襲撃」”である。https://shugeki.phaetonmuseum.com

エドワード・ペリュー提督、当時英海軍インド洋艦隊司令長官。トラファルガー海戦でネルソンが戦死して軍神になる前は、彼こそが国民的英雄だった。今も海洋小説「ホーンブロワー」の主人公として名声を馳せている。貧窮の中に育ち水兵から叩き上げて提督まで昇り詰めた彼は、息子たちへの庇護愛と敵艦から奪った財宝(合法的に艦長に優先的に配分される)に並々ならぬ執着を見せる。念願の英国帰還が叶うと、後任長官の反対を押し切って次男フリートウッド・ペリュー(フェートン号の若き艦長)を日本遠征に旅立たせる。将来の提督への道、さらにはロンドン社交界で一流の名士になるための資金。長崎と行き来するオランダ船を襲えば、積載する莫大な富(銅だけでも現在価値で8億円以上)が手に入るのだ。

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